歯周病治療
歯周病は歯ぐきやあごの骨など、歯の周りの組織に炎症が起こった状態です。むし歯になりにくい人でも歯周病になることは多く、日本の成人のおよそ8割が歯周病であるとされています。また歯周病はむし歯のような痛みが出にくく、本人が気づかないうちに進行していくことも少なくありません。
歯周病を治すには歯ブラシのみならず、補助器具を使った毎日の丁寧な歯磨きや、歯科医院で定期的にクリーニングを受ける必要があります。当院はスタッフ全員が歯科衛生士ですので、いつでも一人ひとりに合ったご指導が可能です。また、基本的な治療だけでなく、GBRやエムドゲインといった歯や骨を再生させる治療方法も受けることができます。
位相差顕微鏡による歯周病細菌検査
当院では、歯周病菌の検査に位相差顕微鏡を用いています。
一般的な顕微鏡では、採取したもの(無色透明の標本)を見るために染色を行わなければいけません。この染色は細胞が死んでしまう可能性があり、生きたままの観察が難しくなります。
しかし位相差顕微鏡を使えば、歯周ポケットから採取した歯周病菌を染色する必要が無く、リアルタイムで観察することができます。これは位相差顕微鏡では光の回折・干渉を利用し、標本が無色透明であっても見ることができるからです。
これによりどのような細菌がどれくらい存在しているか正確に把握し、患者さん1人1人に合ったケア・治療法を提案することができます。なお歯周病菌を採取するときに痛みを感じることはほとんど無いためご安心ください。
根管治療
根管治療とは重度の虫歯治療の際に歯の内部に存在する細菌に感染した箇所(神経・血管など)を取り除くために、ファイルやリーマーという治療器具を使用して行う治療をいいます。根管治療を成功させるためには根管清掃と根幹を広げる根管形成がとても重要となります。
根管形成とは?
根管治療は根管内部を無菌状態にする事で症状が改善します。
まずは専用の器具を使用して目に見える感染した箇所の除去を行い、専用の薬剤を使用して、根管内部に残った細菌を洗浄し、無菌化します。
根管は狭くて小さいため、そのままの状態では薬剤が隅々まで行き渡ることが難しく、適切な洗浄・消毒が行えません。そこでファイルという専用の器具を使用して根管内を削り、拡大する「根管形成」が必要となります。
根管形成には、
- 可能な限り歯根の先端まで穴を貫通させること
- 薬剤が隅々まで行き渡るために、貫通させた穴を拡大すること
が必要となります。
根管を傷つけないためには正確な治療が求められるため、事前の検査や歯科医師の技術が求められる治療となります。
ニッケルチタンファイルとは
従来、根管治療にはステンレス製のファイル(やすりの様なもの)が使用されていました。
根管内は構造上、曲がりくねっており、従来のステンレス製のファイルは硬すぎるため、曲がりくねっている根管には入っていけず、治療することが困難でした。
そこでニッケルチタンと呼ばれる弾性が高く、しなやかな合金で出来たファイルを使用することで曲がった根管に沿ってファイルが入っていき、治療が可能となりました。
当院では信頼性が高く、グローバルスタンダードである、デンツプライ社の電動ニッケルチタンファイル を使用しております。
ニッケルチタンファイルは欠点として、治療中に根管内で折れてしまうケースがありますが、当院では専用の回転コントロール機能のついたデンツプライ社のX Smart Plusと呼ばれるエンドモーターに装着してニッケルチタンファイルを使用することで、無理な力をかけてファイルが折れてしまう可能性を減少させています。
また、ニッケルチタンファイルは、再利用による金属疲労での破折と感染防止に努めています。ニッケルチタンファイルは高価な器具なので、保険診療ではできない場合がありますが、当院では必要な場合は、保険治療でも必要に応じ使用して治療をしております。